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基礎学力の反復練習

高校レベルの数学には「なぜこの公式を適用するのか」といった理論説明、つまり基礎理論はほとんど必要としません。分かりやすく言うと、公理に基づいた経験則に頼らざるを得ないのが、高校の数学なのです。対して物理は、それなりに学問体系のある科目といえます。物理は高校生が学ぶ理科の中で、初歩の部に属しますが、学問体系に沿いながら「こうだからこうだ」という風に、理詰めで考えていくことが不可欠です。それができれば、自然と答えが導き出せる科目が物理なのです。一例をあげれば、高校生が習う力学は、運動方程式系と運動量系とエネルギー系の三つしかなく、それぞれが論理的に説明されています。その基礎理論をきちんと理解できれば、ある程度の問題は難なく解けるようになり、受験本番でも得点力がアップするようになります。物理が伸びない、苦手だと悩んでいる人の多くは、そのことを理解できずに、「こういう問題にはこの公式を適用する」といった、公式の適用法をメーンにした間違った勉強をしているケースがほとんど。それでは物理は伸びません。力を付ける物理の勉強法は、地道ですが、基礎学習となる公式の適用法を習得できるまでしっかりとやることに尽きます。そのうえで、複合問題に数多く挑戦し、基礎学力の反復練習を行う中で、粘り強い思考力を磨いてほしい。

少人数のゼミこそ大学の本来の姿

やはりなんと言っても、今は全体としても、個々の大学においても、学生の数は圧倒的に多くなっています。一学部、一学年一〇〇〇人なんていう大学も決して珍しくありません。そんなに多い学生を一体どうやって教育するのでしょう。大学のルーツを見てきておわかりのように、教育というのは、教師と学生一人ひとりの人間的触れ合いの中で成り立つものです。江戸末期に吉田松陰によって開かれた松下村塾から多くの明治の立役者が出現したように、優れた教師との人間的な触れ合い、あるいは啓発によって人間が大きく成長するところがあります。また、五〇〇人とか1000人とか入る大教室での講義などは、学生にとってあまり面白いものではありません。もともと講義スタイルの授業というのは、中世ヨーロッパの大学では紙が不足していて、全員に教科書が渡らないという事情でやむを得ず講義スタイルを取ったということがあるようです。先生からの一方的講義というのは、別に先生でなくとも、他人の話を一時間も一方的に聞かされるというのは辛いもので、後ろのほうではつい「おしゃべり」「居眠り」が出るというものです。したがって、大学を選ぶときには、大学の大小ではなくて、できるだけゼミを重視した授業を行う大学を選ぶことが賢明かと思います。

1社の模試に絞らずいくつかを受験したほうがいい

模試を受ける際に問題となるのが、―つの模試を受け続けたほうがいいのか、いろんな種類の模試を受けたほうがいいのかということです。学力の客観的な位置づけや合格の可能性をはかるためには複数の模試を受けてみたほうがいいでしょう。模試を受ける意味には、大きく分けて3つあります。「(1)志望校への「合格の可能性」を探ること。(2)受験勉強した学習内容の定着度をみること。(3)ほかの子と比べて相対的に弱い単元を発見すること。」同じ模試を受け続けるのは、相対的な位置が上昇傾向にあるのか(受験集団の中で学力が伸びているほうか)、下降気味なのか、判断できるというメリットがあります。一方で、2回程度は他の模試を受けてみるのも、別の物差しで「合格の可能性」が探れるというメリットがありますが、子どもの状況により一概には言えません。同じものを3回、別なものを2回挟むくらいがいいのではないでしょうか。