サービス産業の進展は、アメリカにとってプラスなのでしょうか、マイナスなのでしょうか。プラス面からみてみましょう。まず第1には、経済に安定効果をもたらしているという点です。1990年以降の動きは多少変わっていますが、相対的にいえば景気後退期でも、雇用の変化は製造業ほど激しくありません。第2には、サービス産業は雇用吸収力が強く、トレント的な雇用増をもたらしていることです。一方、サービス化のマイナス面をみると、第1にはインフレを助長する傾向があります。アメリカの消費者物価のうち、6割近くがサービス価格で占められています。サービス、とくに人的サービスは、生産性の向上が難しいため理髪料金のように労働コストの上昇がそのまま価格に転嫁されやすいのです。このためサービス化の進展はインフレ圧力を強める傾向がありますし、こうした物価上昇は、金融政策でコントロールしづらい点も問題です。第2にマクロ面からみると、一国の潜在成長率は人口増加率プラス労働生産性の上昇率と定式化できます。ところが、サービス業の生産性向上は製造業ほど上昇しません。したがってサービス産業のシェアアップは、潜在成長力を低める要因となるわけです。第3には、貿易収支との関係です。アメリカは世界最大のサービス輸出国(特許権・輸送サービスなど)です。しかし第2次産業の国際競争力の復活なしには、アメリカの慢性的な貿易赤字を解消することが困難であることは否めません。このようにみてくると、アメリカ産業の復活・活性化の主役はやはり製造業にあると思われます。現在でも世界のトップを維持している先端技術分野を強化していく。その一方で、自動車、鉄鋼などの製造業分野で、新しいマネジメント体制を固め、長期的な視点に立った設備投資を積極化して、国際競争力を強化していく。こうした変革がアメリカ産業復活のカギだと私は展望しています。そして幸いにも、クリントン新大統領の政策スタンスは、まさにこうした視点に立っています。この点、後に述べるクリントノミックスが軌道に乗れば、その道は厳しくとも、近い将来アメリカの復活を期待することもできるのではないでしょうか。
法人の代表者に相続があった場合、法人の所有資産はどのような形で相続税の対象になるのでしょうか?この場合には、代表者の所有する法人の株式が相続税の対象になります。ただし、法人の業績が好調で多額の財産がある場合や、法人が高額な不動産を所有している場合は要注意です。相続における株式の評価額が高くなり、相続税も高額になるからです。こうした事態を未然に防ぐためには、相続税対策として事前に子供たちに財産を贈与や譲渡することが必要でしょう。法人では、その財産が株式に形を変えているので、法人の代表者から子供たちに、時間をかけて少しずつ株式を移転していくことで相続に対応しやすくなります。これが個人事業の場合だと、事業主個人の所有財産をこまめに子供たちに移転するわけにはいきません。事業で使用している不動産を細切れにするのはできない相談です。また、事業用の預金を子供に移転したら、事業自体が成り立たなくなってしまいます。このように相続税対策においても、法人の方がとても便利だと言えるでしょう。
2010年の石油依存度は45%程度に低下するという前提になっていますが、原子力発電所の建設や代替エネルギーの開発が進まなければ、「脱石油時代」の青写真も修正せざるを得なくなります。太陽光発電、高速増殖炉、燃料電池、メタノールなどの合成燃料を利用できるようになればいいのですが、技術的には有望なものの、経済性に問題があります。核融合、水素エネルギー、バイオエネルギーはまだ研究段階で、実用化の時期は早くても21世紀後半になりそうです。したがって、当面はエネルギーの大半を石油に頼るしかないわけですが、その石油も2010年ごろには採掘できる埋蔵量が急減し、減産しなくてはならないといわれています。石油のような化石燃料を燃やすと、二酸化炭素が大量に排出訪れるので、地球環境を保全する立場からも、石油への依存度を下げていかなければならない状況にあります。省エネルギーへの取り組みをもっと強化し、石油に代わる新エネルギーの開発が一段と重要になっています。